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みなさん、こんにちは!
歯科医師の今井です。
さて、普段みなさんはどういった歯ブラシをつかっていますか?
ブラシの大きさ、硬さ、柄の形、などいろいろな種類があり、また電動歯ブラシなどもありますね。
では、歯ブラシはいつから使われるようになったのでしょうか?
歯ブラシの歴史
歯磨きの習慣は古く、約3500年前のエジプトでは既に歯磨きに使う歯磨剤の記録なども残っています。
実際に歯ブラシの起源とされるのは、紀元前500~600年のインドで使用された細い木の枝の端を噛んだりしてブラシ状にほぐした「歯木(しぼく)」と言われています。
この歯木にはニームと言われる常緑樹が使われました。このニームの苦い樹液には殺菌作用や消炎作用があり、今でも歯木の素材として使われているようです。
歯磨きと仏教の関係
歯木は仏教と関わりが深く、仏教の開祖の釈迦(ブッダ)は教えの中で、弟子たちの口が臭かったので、歯木を噛むことを勧めています。
歯木を噛むこと(歯をきれいにすること)で、
①口臭がなくなる、②味をよく感じる、③口の中の熱をとる、④痰をとる、⑤目がよくなる
という効果があると説明しています。
当時のインドの医学書に「朝は早く起きて歯を磨かなければならない」という記録もあり、日本でも朝起きて歯を磨く習慣があるのはこれに由来しているとも言われています。
また、イスラム教の開祖ムハンマドも釈迦と同様に歯木を広めていて、こちらは「ミスワーク」という木の根を使っています。
このように、宗教と共に歯を磨く習慣も広く伝わっていったと考えられます。
インドから中国、日本へ
その後インドから中国へ伝わりましたが、中国にはニームの木はなく、楊(柳)の木を使っていたため、「楊枝(ようじ)」と呼ばれました。
楊枝というと、先が細い爪楊枝が思い浮かぶかと思いますが、もとは両端を切りそろえた小枝、もしくは片方の先端を分けて裂いたものでした。
その後、中国から朝鮮を経由して、6世紀頃日本にも仏教とともに伝わり、日本では「楊枝」もしくは「房楊枝」と呼ばれました。
平安時代~鎌倉時代にかけて楊枝は民間でも広がり、この頃には「爪楊枝」も使われていたようです。
江戸時代には民衆に広く普及し、全国に楊枝屋が作られました。
こうした店は、それぞれに看板娘を置いて売り上げを競い合い、江戸の楊枝屋は華やかな社交場だったようです。
ちなみに今でも「さるや」という楊枝屋が日本橋で営業しています。
房楊枝から歯刷子へ
その後、日本が開国すると西洋の歯ブラシが入ってきましたが、銀製や骨の柄に豚や馬の毛を植毛したもので、高価なものでした。
明治5年(1872年)に大阪の角細工商が「鯨楊枝(くじらようじ)」という鯨ひげの柄に馬の毛を植毛した、国産第1号といわれる歯ブラシを販売しました。
しかし、庶民には馴染みのある「房楊枝」の需要が高く、歯ブラシが本格的に普及し始めるのは大正時代になってからでした。
大正3年(1914年)に、小林商店(現ライオン)が、「萬歳歯刷子(ばんざいハブラシ)」を発売しました。
日本で初めて「ハブラシ」という名称が商品に使われました。
この「萬歳歯刷子」は、豚の毛を使用し、柄には牛骨を使用しています。
使用者別に3サイズ販売されるようになり、昭和2年(1927年)には「ライオン歯刷子」と改名されました。
現在の歯ブラシへ
その後、歯ブラシは少しずつ改良されていき、合成樹脂やナイロンが使われるようになり、現在私たちが使っている歯ブラシになっていきました。
また、1960年頃からヨーロッパで、お年寄りや障碍者などに向けて電動歯ブラシが開発され、徐々に普及していきました。
現在では超音波式などの高機能化も進んでいます。
歯ブラシの交換日
毎月8日は歯ブラシの交換日です。
歯ブラシは長く使っていると、汚れがついてカビが生えたり、毛先が開いてきて清掃効率がおち、歯肉を傷付けやすくなるので、定期的に交換しましょう。
そしてどういった歯ブラシがいいか、どう磨けばいいかなど気になる方は歯科医院で先生や歯科衛生士さんに聞いてみてくださいね!
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