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こんにちは、新浦安ブライト歯科 院長の久後佑介です。
麻酔が効かない!?
そんな恐ろしいことあるの!?という声も聞こえてきそうですが、実際に麻酔が効かないことはございます!
頻繁にあるわけではないですが、年に1ー2人ほど全く通常の麻酔が効かない人がいます。
お酒が強い人は効きにくいだとかなんだとか言われてますが、原因はよくわかっていません。
そんな時どうするか?諦めるのか?
そもそも歯科麻酔の種類についてご説明いたします。
歯科で扱う麻酔の種類について
浸潤麻酔(しんじゅんますい)
よく行われる一般的な麻酔です。
施術する部位の近くに麻酔薬を直接入れることで、浸潤(しみわたらせて)して麻酔薬を効かせます。
これで99%の人は、効くのですが、稀に全く効かない人がいます。
そして、効かない場合は、ほぼ下顎であることが多いです。
実は、骨には、目に見えない孔があいているのですが、下顎は上顎と違って、骨が緻密(ちみつ)にできているため、薬を入れても浸潤(しみわたって)していかないことが多いのです。
これは、奥歯に行けば行くほど、その傾向が強くなり、また年齢が上がれば上がるほど骨も硬くなっていきますので、ご年配の方の下顎の親知らずは少し身構えますね。
骨が硬いと、抜歯するのも時間がかかったりします。
伝達麻酔
伝達麻酔とはその名の通り、伝達して麻酔をします。
先ほどお伝えした通り、麻酔が効かない場合は、下顎の場合が多いので、下顎にしかやらない方法です。
実は、下顎の歯の神経支配は一本の太い神経(下歯槽神経)が支配しています。
下顎の中に太い神経(下歯槽神経)が入っており、その神経から分枝して、それぞれの歯の神経を支配しているので、その太い神経(下歯槽神経)ごと麻痺させようということです。
太い神経(下歯槽神経)はちょうど頬の内側あたりに下顎孔という孔が空いていて、その孔から骨の内部に入り込み、そのまま顎の内部を進み、下の前歯のあたりに、オトガイ孔という孔があるのですが、そこから外に出て下の前歯あたりの歯茎などの支配をしています。
下顎孔とオトガイ孔は、この神経線維が出入りしているだけあって、肉眼でもはっきり見ることができます。もちろん、解剖でのお話ですが・・・・。
太い神経(下歯槽神経)は骨の内部で、分枝をだし、下の歯の半分や、歯茎、唇、そして舌も支配しております。
左右で、別々の太い神経(下歯槽神経)が走行しているので、右側を麻痺させると、右側の太い神経(下歯槽神経)から分枝している範囲すべてが麻痺されます。
具体的には、右側半分の歯と一部分の歯茎と右側半分の舌が麻痺されます。
この神経は、感覚性の神経で、運動性の神経繊維はないので、麻痺されるのは感覚だけなので、顔の形が変わったりすることはありません。
学生時代、学生同士の実習で伝達麻酔し合うのですが、本当に、下顎の顔半分の歯と舌まで麻痺されて、解剖の神経の走行通りだなとしみじみ感動した覚えがあります。
かなり、強力な麻酔になるので、滅多にやることはないのですが、どうしても麻酔が効かない場合は伝達麻酔をすることがあります。
ちなみに、この太い神経(下歯槽神経)は、親知らずを抜くときに非常に近くを走行していることがあるので、抜歯時に誤って傷つけてしまうと、上述した麻痺症状が出る方がいます。
原則、切断や物理的な損傷で神経線維を傷ついてしまった場合は、治癒することはないと言われているので、注意が必要です。
そのほか、麻酔時の注意事項としては、近くを血管が走行しているので、血管に麻酔薬が入らないように、特殊な器具を使って確認しながら慎重に行う必要があります。
今の所、伝達麻酔しても効かないことはありませんでしたが、心理的に歯科恐怖症がある方や、まだ出会ったことはないですが、上顎で麻酔が効かない人がいた場合は、歯科の全身麻酔(静脈内鎮静)という方法もございます。
静脈内鎮静は、全身麻酔のように腕の血管に直接薬を流し込む方法ですので、本当に全身麻酔に近いので、ご希望される場合は、大学病院などをご紹介いたしますので、ご希望の方はご相談いただければと思います。
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