こんにちは。歯科医師のニレイです。
今日は少し趣旨を変えてお送りいたします。
東日本大震災から7年
本日3月11日は忘れることのできない、東日本大震災が発生した日です。
あれから7年。
大津波の被害を受けた街も、少しずつ元気を取り戻しているでしょうか。
私は震災が起こってから半年経ったある日、
縁あって被災地を訪れる機会がありました。
津波で全壊してしまった三階建ての建物や、
校舎と同じ高さにまで積まれた瓦礫の山、
基礎だけが残され、全て無くなってしまった住宅街などを実際にこの目で見ることで、
本当の大震災の恐ろしさを感じることができました。
大規模災害での歯科医師の役割とは?
日本歯科医師会では災害時の歯科医師の役割として大きく3つ取り上げています。
① 緊急時の医療救護
(いのちを救う医療) |
トリアージ(の補助)
救命救急処置の補助 口腔顔面外傷の処置 |
② 歯科的個人識別
(人としての最期の医療) |
遺体の歯科検査
生前歯科情報の整理・管理 照合・異同判定 |
③ 歯科医療救護
(生きる力を支える医療) |
(暫間的な)歯科治療
歯科保健(心のケアを含む口腔ケア) 歯科相談(食事形態を含む) |
ここでは主に ②歯科的個人識別 についてご説明します。
歯科的個人識別とは?
歯科医師の災害現場での重要な役割としては、
ご遺体の身元を特定することが挙げられます。
東日本大震災では2018年3月現在で、
死者15895人、行方不明者2539人の犠牲者が発生しました。

警察署に並べられた損壊の著しい自動車。車体にスプレーで描かれた赤丸は捜索隊がその車内を確認したことを、バツ印は収容できていない遺体が存在することを記録するために用いられました。
その犠牲者の身元を特定する上で最も大きいのが、本人の身体的特徴や所持品(88.6%)ですが、
次に大きいのが歯型による鑑定(7.9%)で、
よくドラマなどで用いられている、DNA鑑定による識別(1.1%)よりも割合が高い結果となりました。
歯は人間のからだの中で最も固く、どんな状態でも耐えうる組織です。
はえている歯の種類や本数、
歯のカタチ、咬耗(歯のすり減り)、歯科処置の痕などから、
年齢や性別、経済状況、嗜好性などを推測し、個人を特定することができます。
このように採取したデータも重要ですが、
何よりも生前にかかりつけの歯科医院でみてもらったデータがきちんと保管されていることが一番大切になってきます。
日ごろから定期的に歯科医院で健診を受けていると、万が一の時に役立つこともあります。
終わりに
東日本大震災では、多くの歯科医師が身元確認作業に従事しました。
被災者でもある地元の歯科医師と同時に、日本歯科医師会からの要請を受け志願した他県の歯科医師が、
わずか数日間で1,100名を越えて集まりました。
7年前当時の私は歯科医師研修制度を修了したばかりで、実際の臨床については何一つわからない状態でした。
それ故に現場で足手まといになるのを恐れ、志願できず何もチカラになれなかったことを今でも悔やんでいます。
もう二度と大災害は起こってほしくありませんが、歯科医師として堂々と責務を果たせるように、日々精進していきたいと思います。
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